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他力本願の卒業(3)

住み込みのバイトから帰ってきた私はKO病院に行きました。
精神科の治療室に座っていたのは若い女医さんでした。
彼女は、私が何か話すたびに「なるほど」「なるほど」と
言いながら頷くの。
それがなんとなく面白くてなんとなく心地よくて
「この先生、いいじゃん」って思いました。
彼女は、私が初めてそう感じたお医者さんでした。

まさかこの十数年後に先生の著書で、あや相談室を紹介して
頂けることになるなんてこの時の私が知る由もなく・・・。

「入院させてください。すごく辛いんです。どうしても
入院したいんです!」」

「分かりました。でもベッドが全然空いていないの。
いつ空くか分からないんだけどそれでもいい?」

「・・・はい。待っています」

なんだ、希望してもすぐには入院できないんだ。
なんだ。なんだ。なんだ。
いつ入院できるか分からないのに、その日まで
どうやって毎日を過ごしていけばいいんだろう。

 案の定、また食べては寝て、起きては食べての繰り返しの
毎日が始まりました。そして1ヶ月が経ったある日
横になりながら見ていたテレビで
断食ができる保養所の紹介をしていました。
「断食?そっか。これがあったか!」

ガバッ!と起きた私は急いでその保養所の連絡先を
メモし、すぐにそこに電話をかけました。

「断食に行きたいのですが」

「丁度、今週末からの1週間、3日間の断食と4日間の補食で
終わるコースがあるのでこちらに参加してみますか?」

「はい、それに行きます!!」

電話を切ると、そこに行くためにはどうしたらいいのか
電車の時刻表を見た。実は自分でんなもんを開くのは
初めて!
見方が全然分からなくてイライラ。結局親に行き方を
教えてもらいました。親は反対しませんでした。
もちろん賛成もしませんでしたが。

 翌朝銀行に行って、自分の貯金を10万円下ろしました。
ゆるゆるのジャージの上下をバッグに詰めて
「よし、これで準備ok!」

 と、その時電話が鳴り、受話器を取った母が言いました。
「あや・・・KO病院のベッドが空いたって。
明日入院の準備をして来てくださいって」

 なーんてドラマチックなタイミング♪
一瞬躊躇しました。ここで入院を断ると
次はいつ入院できるか分からない。
でも私の気持ちは断食に向いていました。

「ごめんなさい。私、入院しません」

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