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2食+間食=痩せた?

熱海のリゾートホテルは連日親子連れやカップルで
大にぎわいだった。私が頼まれたのはロビーの隅にあるカフェの
ウェイトレスの仕事。ラッキー♪
私はウェイトレスの仕事が好きなのだ。

夏休み限定で働きにきている他の学生さんたちと
一緒の過ごす大部屋での生活は、思っていたほど嫌なもの
ではなかった。むしろ楽しかった。
私たちの仕事がみな異なっていた為、それぞれの仕事場に
対する愚痴や、変な客のネタ話で、毎晩大いに盛上がった。

食事は朝は抜き(早朝から仕事だったため)昼と夜の2回は
休憩時間を利用して社員食堂でとった。
食券を食堂のおばちゃんに1枚渡し、A(こってり)か
B(さっぱり)を選ぶ。私は必ずBを選んだ。
前回の住み込みのバイトの時のように大皿から好きなだけ
自分のお皿に取る食事と違い、毎日決まった時間に決まった
内容と量の食事を、誰の目も気にせず一人で食べられることが
とても楽で嬉しかった。

夜になると急に過食をしたくなったがここは大部屋。
みんなの目が気になり、過食したくてもできなかった。
それ以前に、過食の材料が手に入らなかった(苦笑)。

最初こそ意識して残していた昼と夜の食事は、間食を一切しない
ことを言い訳に完食することが増えてきた。
過食も間食もしない。でも昼と夜はちゃんと食べる。
こんな生活を1週間、2週間・・・と続けていくうちに
ずっと忘れていた空腹感と満腹感を再び感じるようになっていった。
と同時に、今自分が何キロあるのかを知るのが怖くなり、
体重計に乗らなくなった。自分の体重は非常に気になった。
でも体重計に乗らないことで、体重を気にし過ぎずに済んだ。

ある日の夜、一人の子が「きゃー、私太っちゃった~」と
騒いだ。私は彼女をよーく見てみた。でもその子のどこがどう
太ったのか全然わからなかった。
ふと考えた。
そう言えば、その子も他の子も太った!太った!って
騒いでいるけど、相変わらず夜はお菓子をガンガン食べている。
でも私からするとちっとも太ったようには見えない。
それに太ったからと言って仕事を休んだり、24時間愚痴ったり
落ち込んでいる子もいない。
夜になればまた楽しそうにみんなでお菓子を食べている(^-^;)。

だったら私もそうしてみようかな?
自然にそう思えたことに私自身とてもびっくりしたが、
その日の夜早速、みんなが持ち寄ったお菓子を1つ口にしてみた。
美味しい!もっともっと!と手が伸びた。やばい!やばい!と
思いながらも止まらない。どうしよう!どうしよう!
過食しちゃうよ~。完全にパニックだった。
誰の話も耳に入ってこなかった。
全ての神経がお菓子に集中していた。
その時、1本のポッキーを友達と同時に取ってしまった。
すると彼女はにっこり笑って「じゃ、じゃんけんで
決めようか?」と言った。
私は、彼女のこの言葉でハッと我に返れた。

いつもの通り、みんながいろんな話で盛り上がり、止まる
ことなくお菓子に手が伸びている。
私だけじゃないじゃん!やっていることはみんなも同じじゃん!
そう思ったら、少しだけ気持ちが落ち着いた。

とは言え、翌朝の気分は最悪。顔もパンパンな気がした。
でもお客が切れることのないカフェの仕事を休むことが
どんなに迷惑なことかは分かっていた。
私は下を向いて仕事に行った。
確かにスカートはきつかったけど、それ以外はいつもと変わり
なく忙しく時間が過ぎていった。
こんなもんか!と思ったらホッとした。
この日を機に、多少食べ過ぎても仕事に行ける自信がついた。
みんなも同じ!
そう思うことでなんとか頑張り続けることができた。

朝は相変わらず食べなかったが、昼と夜の食事は
前日の夜いくら食べ過ぎたとしてもちゃんと摂るようになった。
そうしないとお腹が空いて、また夜のお菓子が止まらなくなった
から。

毎晩、みんなと一緒にお菓子を食べながら騒いだ。
こそこそと客用の大展望風呂に入りに行ったりもした。
禁止されていたのでスリリングだったが一度もばれたことは
なかった。
熱海の海を眺めながら入るお風呂は最高だった。

ある時、お風呂から上がった時に、体重計と目が合った。
おそるおそるそれに乗った。するとどうだろう。
自分が想像していた体重よりもはるかに痩せていたのだ。
あんなに食べているのに???
とてもじゃないけど信じられない。
はは~ん。この体重計、お客さんを喜ばせる為にちょっと
壊れているのね!と本気で思った(笑)。

ここに来るまでいろんなことがあって私はとても疲れていた。
でもここでの仕事を終えれば私の夏休みも終わる。
だからここには何の期待もせずに来た。
ところがここでの生活が思いがけず楽しかった。ここに来てから
体重や体型のことをあまり気にしなくなった自分に
私は初めて気が付いた。

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