あや相談室について

父親

母への想いはかなり強かったが、父への想いというか
関心度は極めて低く、未だに彼がどんな人なのかよく
わからないでいる。

そんな父から、先日突然電話があった。
「お前に相談したいことがある」という。嬉しかった。
父から頼られたことなんて1度もなかったから。
内容は簡単に言うとこうだ。
知り合いのAくんの奥さんが心の病を患っていて、なに
かとトラブルを起こす。Aくんは相当参っている。
今までは、夫婦だけでなんとか頑張ってきたが、彼女の
状態がどんどん悪化してきているようだ。だからもう入
院しかないと思うんだが、彼女がそれを頑なに拒むんだ。
どこか強制入院ができるところを教えてほしい。

状況がよく分からず、父としばらく話をした。
その間、彼の口から何気なく出てくる言葉の数々に
私の胸がピコン!ピコン!と鳴り出した。

「お前のことで長年苦しんできたから、僕にはAくんの
気持ちがよく分かるんだ」「入院すれば治る!」
「檻に入れるしかないだろう?」
「本人の意思では絶対に退院できないようにしないと」
「家族のことは家族が一番理解しているんだ!」

じゃぁ、聞くよ。
お父さんは私の何を理解しているの?
私はお父さんのこと何にも知らないよ。
お父さん、私はね、家族のお陰で治ったんじゃないんだよ。
医者のお陰でも、薬のお陰でもないんだよ。
私がこの病を克服できたのはね、私のことを、一人の人間
として、普通に普通に接してくれた人たちのお陰なんだよ。
そういう人たちに支えられて、私は生きていてもいいんだ
な。このままの私でいいんだなって心から思えたんだ。
だから治ったんだよ。

なのに、お父さんは何故、入院すれば治るって思うの?
私には彼女の気持ちが痛いほどわかる。
症状は違っても、あのころの私と全く同じだもん。
私のことで苦しんできて、あなたはそこで何を学んだの?

もちろんもうこんなことは言ったりはしない。
言えば絶対に「いい加減にしろ!」って言われて一方的に
電話を切られるだけだもん。
何度も何度もそうやって電話を切られてきたもん。

でも言わなかった理由はそれだけじゃない。
父は自分の気持ちを素直に言っただけで、私の人格や
考え方を否定したわけではないからだ。
こうやって冷静に相手の意見を受け止められるように
なれたのは嬉しい。
あやちゃんも大人になったものだねぇ(笑)。

前の私なら「あんた、何にも分かってないじゃないの!」
怒鳴って、包丁を振り回して泣きわめき、私のすることを
理解してくれない人と、みんなに迷惑をかけてしまう
自分と、過去と未来に絶望し、過食に逃げ、また現実に
戻されて、今度は死にたくなって・・・。
ホットボタンが点くと、私の暴走はもう誰にも止めることが
できなかった。

でももうこんなことはしない(笑)。
いとも簡単に想像できるからこそもうこんなことはしない。
でもしたいとも思わないんだからやっぱり、今の私に
とって過去や病のことは、もうホットボタンじゃないんだ
なって思った。

今は、相手の意見を尊重することは、自分の意見を
尊重することにもなると思っている。

Let’s agree to disagree!!

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