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私が噛むのは爪じゃなくて、その横の皮。
皮の端っこを噛むの。
ささくれのような痛みは全然ない。
10本の指の爪の横の皮を順々に噛んで剥いていく。
やりすぎて、血が出ることもあったけど、ズンズンと
心臓の鼓動のように波打つ痛みは、むしろ心地良かった。
そこを更にシャーペンで突いたり・・・。

悪い癖、恥ずかしい癖、自虐的な癖。

とにかく見た目が汚い。
無心になって皮をずっと噛み続ける私の姿はよほど
不気味なのでしょう。
見た人はみんな、怪訝な顔をする。

一番恥ずかしかったのは、プールの時間。
ふやけて凸凹になっている指先はとにかく
気持ち悪かった。
噛んでいる本人が気持ち悪いんだから、
他人が見たらなんて言われることか。
プール中もその後もいつも必死に指先を隠していた。

分かってる。こんなこと、止めた方がいいって。
でもどうしても止められないの。

親や先生に注意されたり、怒られたり。
自分でもやめようと思っている。
でも気づくと噛んでるの。
というか、噛み終えた後に
「あ、またやっちゃった」って気づくの。

ある日、シャーペンで突いたところにバイ菌が
入ってしまい、「ひょうそ」という皮膚炎に
なってしまった。
黄緑の膿がたまってて、皮膚科の先生が、
そこをメスでピッって切って、思いっきり
押して膿を出すの。
あの時の飛び上がるほどの痛みは今でも覚えている。
確か、中学1年生の頃だったと思う。

さすがに懲りた。もう絶対に噛まないぞ!
でも、やめられたのは、シャーペンの先で突くことだけ。
懲りたのは、ひょうそになったこと「だけ」だったのね。

皮が剥けて薄くなったところに、爪を食い込ませる。
このときのズンズンってなる痛みが心地よくて、
どうしても止められない。
間違いなく自慰行為(^^;)

あ~!どうしたら止められるんだろう?
図書館で調べてみた。

ある医学書に、
【心理学的に言うならば、
「不満や不安からのストレスが原因」となります。
厳しすぎる親の接し方や、逆に全然かまってもらえなくて
寂しくて・・・要するに、愛情に飢えている場合が
考えられます】とあり、その後にはつらつらと、
親子の関係を正すためのコツが書かれていました。

う、うーん。
原因はどうあれ、今更、親に謝られても、無理矢理
抱きしめられても、この癖が治る気がしないんですよ。

【子どもの頃の癖は、一過性のものが多く、
自然としなくなることも多いが、大人になっても
その癖が抜け切れていない人もいる】
で、爪噛みの癖に対するコメントは終わっていた。

なんとアバウトな・・・・。
こんなことなら私だって書けるわい(-_-)zzz
「こうしたらこうなります!」って書けなくて、
どうして専門家と言えるんだ?
専門家じゃなくて、当事者のコメントはどうしたら
聞けるの?
それとも、こんなことをするのは、私だけなの?

ええい!
こうなったら、自分でどうにかするしかない!!
とにかく無意識に噛んでしまうのだから、
意識させるしかないよ!

そこで、指先全部に絆創膏を貼ってみた。
この方法は意外とうまくいった。
絆創膏を噛む気にはなれず、無意識に噛んだとしても、
「うえっ。まずっ」となり、無意識に噛んでいたことに
気づけた。

でも、毎日毎日絆創膏を10本の指に巻いているのは、
苦痛だし、目立つし、蒸れるし、恥ずかしいし、
コストもかかる。

次は白色のテープ(ガーゼを留めたりするときに使う
薄い不織布のテープ)を指先に巻いてみた。
これなら安いし、薄いしいいかなと(^_-)
でも安いし、薄いしということで、気軽にめくって
噛んでしまう。

よ~し!分かった!
そんなに噛みたいなら噛め!!好きなだけ噛め!
でも噛んで良い指は「2本だけ」だぞ!となりました(笑)。

一番噛みやすく、いじりたい指である、右と左の
人差し指だけは噛んで良し!ということにしました。

これは案外成功っぽくて、他の指の皮がどんどん
再生してゆき、見た目がとてもきれいになったら、
思いの外嬉しくて、俄然やる気が出てきました♪

でも、調子に乗ってしまい、ルールを
「全部の指を噛んではいけない!」に改正した途端、
また、全部の指先を噛み始めたの(>_<) 慌てて、 「いいよ、いいよこの指だけは大いに噛みなさい!」と 元のルールに戻しました。 2本限定になり、更に過激な噛み方をし始め、 とうとう人差し指の爪は変形してしまいました。 年月が経ち、結婚し、子どもを産んでも、この癖は 治らず・・・。治る気もせず・・・・。 この癖が自然となくなることはないんだなと諦めつつも、 人差し指の爪が変形し、その周りの皮膚が汚いのは やっぱり恥ずかしくて(>_<) そんなある日、雑誌に、 「爪がきれいだと、心にも余裕が生まれます」って 書いてあって。 育児に疲れていた私は、この言葉にふ~っと吸い寄せ られて、ネイルサロンへ。 こんなに汚い指先を見せたら、ネイリストの人はさぞかし 驚くだろうな・・・とびくびくしながら。 でも、ネイリストさんは全然驚かなくて、そういうこと じゃなくて 「お忙しいんでしょうね。寝不足ですか?爪の状態が ちょっと悪いですね。薄いし、もろいし。ほら、 この横線はね・・・」などといろんなことを 教えてくれました。 育児以外の話をしたのはいつぶりだろう? 甘皮を丁寧に取ってもらい、透明のマニュキュアが キラキラと光る自分の指先を見て、とても感動しました☆ でもなによりも嬉しかったのは、ネイリストさんとの 会話でした♪ 全然食べないし、全然寝ない、いつもわめいたり 泣き叫んでいる息子の世話に疲れ果てていた私。 帰りが遅く、一度寝たら朝まで絶対に起きない主人を 恨めしく思いながら、全然寝ない我が子の背中を さする毎日。 主人を前に、口から出てくる言葉は愚痴ばかり。 お互いにお互いを思いやれず、ケンカばかり。 ママ友にはいつも気を使って、かえって疲れが増す。 彼女たちの子どもが大人しくてかわいくて、 騒がしい息子と比べて凹む。 全部私が悪いんだ!子どもを生む資格なんて私には なかったんだ!・・・から始まり、最後は 私なんて生まれて来なければ良かったんだ!に 行き着く毎日。 こんなひどい状態で、よくもまぁ、ネイルサロンに 行けたなぁ~と思いますが、こんな状態だからこそ、 行けたんでしょうねぇ。 それからというもの、疲れると子どもを託児所に預け、 ネイルサロンに行くようになりました。 (と言っても、あの頃は2,3ヶ月に1度でしたが) 素直に、「また噛んじゃって」と苦笑いしても、 「あらら(笑)」だけで終わらせてくれるネイリストさん。 「せっかくこうしてネイルサロンに来ているのだから、 噛みたくないな」と思うようになり、噛みたいけど 我慢!我慢!となり、我慢することに徐々に慣れてきました。 ある日、ネイリストさんに、 「爪の状態、すごく良くなりましたね。 最近は落ち着いていらっしゃるんですね」と言われて びっくり☆ そう言われたから、落ち着けたというか(笑)。 そう言われたから、ちゃんと自分でもネイルケアーを するようになったというか。 やっぱり褒められたいんですね(笑)。 褒められるから、楽しめるんです。 褒められるから、頑張れるんです。 気づけば、爪の横の皮を噛んだり、 いじめる癖は完全になくなり、その代わりに、 指先をきれいに保つ癖がついていました♪ 数年前からジェルネイルが流行だし、家事や育児で 指先を酷使していても、爪のオシャレを楽しめる ようになりました☆ 今は、3週間に1度のペースでサロンに通っています。 ネイルサロンに通う理由は、あの頃も今も全く同じ。 心の余裕をもらったり、確認するためです(^_^)v *2010年7月17日にブログに書いた言葉です。

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