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7月のひとこと

●マインドフルネス
欧米で流行っている心理療法、心のエクササイズと言われるマインドフルネス。マインドフルネスとは、「今の瞬間」の現実に常に気づきを向け、その現実をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情にとらわれないでいる心の持ち方のことです。先日、NHKスペシャルでも取り上げられていました。
マインドフルネスは、脳科学や臨床でその有効性が実証され、欧米では医療、教育、ビジネスの現場で幅広く実践されています。グーグルやアップルも社員研修に取り入れています。摂食障害専門病院で、治療の一環として取り入れられているストレス対処法(ヨガや太極拳)もマインドフルネス技法の1つです。日本では坐禅会の人気が高まっていますね。
人は、大きなストレスにさらされると体が固くなり、心は閉ざされて弱くなっていってしまいます。ところが、マインドフルネスな生活をしていると、ストレスを感じる場面においても否定的な感情や物事にとらわれたり、飲み込まれることが減り、自分を取り戻すことができるようになります。
マインドフルネスの魅力は、「年齢・性別・宗教を問わず、簡単に実践できること」と「信じなくても効くこと」です。心のエクササイズは筋トレと同じで習慣にしてしまうことが大切です。そのためには練習あるのみです。マインドフルネスの習得は自転車を上手に乗りこなすまでの過程に似ています。最初はやり方がよく分からなくても、やっていくうちに段々とやり方のコツが分かってきます。ストレスを自分の力で対処できるようになっていたり、多くの時間を前向きな気持ちで過ごせるようになっていることにも気づけるでしょう。

●マインドフルネスの実践法
1)静かな場所を選びましょう
2)自分に合った楽な姿勢で、全身の力を抜きましょう
3)呼吸に集中しましょう(雑念も出てきてもOK!)
4)1~3秒で吸って、5~8秒で吐く(吐くときにだけ時間をかければいい)
5)1日1回、その日の気分で5分~15分続けてみましょう
*雑念も受け入れるのがマインドフルネスの特徴です。

私はかなり自己流に行っています(笑)その方法は下記の通りです。
まず、椅子に楽な姿勢で座り、軽く目を閉じます。
1)息をふぅーーーーーと時間をかけて細く吐き出します。胸だけじゃなくお腹もへっこむくらいに息を吐き出します。もうこれ以上吐けない!と思うくらい息を全部吐き出します。
2)へっこんだお腹を今度は一気に緩めて、息を大きく吸います。同時にお腹が一気に膨らみます。
1と2を繰り返します。
もし負の感情があるときは、それらを「頭から足の真下へと一気にドバーッと流して捨てちゃう」イメージで、息と一緒に吐き出します。
次に、頭上からキラキララメのゴールドピンクの元気なパワーのシャワーを体全体に浴びるようなイメージで息を大きく吸います。
ちょっと難しそうに思うかもしれませんが、息を吐く時は「負の感情を捨てまくる」&息を吸う時は「ゴールドピンクラメのシャワーを全身に浴びまくる」。呼吸をしながらこの2つのイメージを必死に沸かせているとアッという間に時間が流れていきます(笑)

この呼吸法を始めた当初は雑念ばかりが出てきて「こんなんでいいのかなぁ?」と不安でした。何もしていない時間に慣れなくてそわそわして落ち着けないこともありました。でもそんな「今の自分」を感じること。今の私にできることは呼吸に集中することのみ。他は何もしないし、しなくていいんだ。そう思ったら、このたった数分間のひとときがとても贅沢な時間に感じるようになりました。
今まさに「この瞬間は私のためだけにあるのだ」という思いと「今まさに自分と向き合っている」という感覚が持てた時、こういう時間を作ってあげることがマインドフルネスなんだと分かり嬉しくなりました♪
皆さんも忙しい毎日のたった数分間をぜひご自分のために贅沢に使ってあげてください。皆さんの心や体が、「この人はそういう時間を必ず作ってくれるんだ」とあなたのことを信用し始めたとき、今までにはなかった静かな爽快感や充実感、解放感を得られると思います♪マインドフルネスな生活をしていれば必ず摂食障害の問題も改善していきます!

●失敗例(原因追及)より成功例
アメリカで感情を表す英単語を全部数えてみたら、ネガティブな単語が全体の62%もあるのに対して、ポジティブな単語は38%しかなかったそうです。日本語も同じだと思います。
両単語の割合からして分かるように、私たちはもともとネガティブな面に注目する傾向があります。例えば、他人の幸せ過ぎる話よりも不幸過ぎる話の方が注目されますし、良い評判よりも悪い評判の方がより長く強く人の記憶に残ります。親は、子供の通知表に4や5がたくさんあるときはあまり気にならないのに、1や2が増えると途端に気にし始めます。「どうしてこんなことになったの?」とその原因を追及したり怒ったり。
本当は、良い方の事実に注目する方が問題の解決は早かったりします。「なんでこんなことになったのか」ではなく、「こうならなかった時はどうしていたのか?」に注目して考えてみるのです。
例えば、「なぜ過食してしまうんだろう?」とその原因を延々と探っていくよりも、「過食したいと思わずに過ごせたとき」の生活スタイルに注目する方が、今の生活の中にある問題点が見つけやすく、改善しやすいのです。
私のカウンセリングでは、皆さんの過去の経験の中から成功体験を探し出し、それらを利用してネガティブな習慣をポジティブな習慣に変えていくお手伝いをしています。
今月も皆さまといろんなお話ができることを愉しみにしております。

2016年7月2日
摂食障害カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや

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