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12月のひとこと

夏頃から体のあちらこちらにぽつんぽつんと出始めた蕁麻疹。
皮膚科でもらった薬は全然効かず、見る見るうちに全身に広がってゆきました。

昼間は気を張っているのであまり痒くないのですが、夕方になると激しい痒みが襲ってきます。痒くて痒くて、掻けば悪化するのは分かっていても、我慢できず、もうどうでもよくなり掻きむしってしまいます。掻くことは、痒さから逃れられる一番簡単で絶対的で最高の快楽なのです。

病院で「ストレスを溜めないようになるべく安静に」と言われても、蕁麻疹が一番のストレスなんだよー(涙)と思うばかり。肌が過敏になっているため、何を着ても痒くて、できれば裸でいたいくらい。初めて肌に優しい下着を買いました。

鏡で全身に広がった蕁麻疹の酷さを見るとパニックに陥りそう。恐怖が襲ってきて、ネットで「蕁麻疹 死にたい」と検索してみたり、夫や息子にLINEで泣き言を言ってしまったり・・・。

不安が不安を誘い、蕁麻疹は更に悪化。とうとう腕がパンパンに腫れ上がってしまい、もうだめ、限界・・・そう思って病院へ行ったら、強いステロイド剤を処方されました。飲むと怖いくらいに蕁麻疹がきれいに消えてなくなりました。久しぶりに味わう「ふつう」が幸せ過ぎて、もうすっかり治った気分でいました。

でも魔法の薬はありません。案の定、ステロイドを飲むのを止めた途端すぐにまた蕁麻疹が出てきました。がっくしです。またあの辛い毎日がやってくるのか・・・。しかもなんだかだるくて、フラフラします。だるいってこんなに不快だったんだと思い出しました。
もう寝るしかなくて、夕飯を食べたらすぐに布団に入り込み、死んだように朝まで寝ること3日間。少しずつ体力が回復してきているのを感じました。

蕁麻疹の原因は特定できませんが、頑張りすぎていたのかなぁと思います。皮膚科の治療だけでは全然良くならないので、漢方医の先生のところにも行きましたが、そこで、体よりも「心の疲労」を指摘されました。

受験生の息子が夜遅くまで勉強していることや、同じく夜遅くまで仕事をしている主人と比べ、自分は何も頑張っていないなと思っていました。これって悪い思い癖だなって思います。周りの誰かが頑張っているとつい煽られてしまうんです。ちゃんとした休みも取っていませんでした。今思えば、いろんなことの語尾が「~しなくちゃ!」になってました。

蕁麻疹をこれ以上酷くさせないためには、「無理をしないこと」だけなのかもしれません。「~しなくちゃ!」と思うことを極力減らして静かに過ごすことにしました。そんな生活を続けていれば、蕁麻疹は少しずつよくなっていくと信じて。

過食も同じだと思います。「蕁麻疹」を「過食」に、「痒い」を「負の感情」に、「掻く」を「食べる」に、「ステロイド」は「痩せる」などに置き換えて読めば、私と同じだ!と思う方も多いと思います。体のストライキがどこに出るかの違いであり、どこに出ても辛いものは辛いのです(涙)。

今の世の中って、ふつうに生きているだけでもストレスが溜まっていくんじゃないかなと思いました。昔のふつうと、今のふつうは違う気がします。
世の中が便利になればなるほど、自然から遠のいて行けば行くほど、人は妥協をすることができなくなり、「こうあるべき」が増えて、無理をするようになるんじゃないかな。
蕁麻疹に悩まされながらいろいろ考えさせられました・・・。

何かと慌ただしい12月。皆さまもあまり無理をせず、ご自分を大切に扱ってあげてください。

2017年12月1日
摂食障害カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや

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